スマートフォンのカメラに取り付けられる偏光顕微鏡について紹介します。
(1) 製品について 【iSeeing ミクロハンター】
一般的に顕微鏡は安くても数万円、偏光顕微鏡になるとその数倍はします。今回紹介する偏光顕微鏡レンズは、クラウドファンディングサイト(Makuake)にて購入しました。価格は、1個¥5,000~6,000程度です。アプリケーション(iOS,Aindroid対応)、台座、スケール、偏光板付きケースがセットになっています。倍率は、×48,×96,×144,×240(デジタルズーム)です。偏光顕微鏡以外にも、普通の顕微鏡タイプもあります。中国製で、日本では合同会社KaraSeedが正規代理店です。(https://microhunter.karaseed.com/)
(2) 使い方
①スマートフォンのカメラにレンズ(図2)を装着する。(粘着剤がついている。)
②専用アプリiSeeingを立ち上げ、キャリブレーションを行う。
③レンズと偏光板の間に岩石切片プレパラートを置き、台座を指で動かしながらピントを合わせる(図3)。
④アプリ上でズームしたり、スケールを出したり、撮影したりする。
(3) 使用感
〇 良かった点
・軽量、小型で、安価につけられる。
・スケールを出せるので、鉱物のサイズを確かめられる。
・スマートフォンに画像を記録できる。
△ 改良が求められる点
・専用のアプリがないと、キャリブレーションができない。
・タブレットに装着すると、ピントが合わせにくくなる。
(4) 活用場面
1年生地学「大地の変化」で、斑状組織、等粒状組織を観察する場面で活用できます。一人一台端末のカメラに装着することができれば、手軽に顕微鏡を使うことができます。地学に限らず、化学分野や生物分野での顕微鏡の使い方の幅が広がると思われます。 (執筆:神谷)
この記事は、理科サークル「SCIENTIA」のニュース「Serendipity」(2023.2)から引用し掲載しました。「科教協静岡ニュース」(2023.11)に掲載しました。
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