(1)源流部
分水嶺の大谷嶺の標高は1999.7mで、ここから測った川の長さ(幹川流路延長)は51kmと、日本の一級河川の中ではかなり短いものです。(国土交通省「日本の川」より)
① 大谷嶺(おおやれい)と大谷崩(おおやくずれ)
大谷嶺:下の写真の中央部の山で、山頂の標高が1999.7mです。安倍川の源流の1つで幹川流路延長の起点です。安倍川の分水嶺にあたり、こちら側は静岡市、向こう側は山梨県早川町で富士川水系になります。
大谷崩:この撮影地点の標高は約1200m。1707年の宝永地震のときに大規模な山体崩壊を起こしたことが知られていて、下流に多量の砂礫を供給しています。たくさんの砂防堰堤が作られていますが、多くが埋まっています。(この地点までは、赤水の滝の少し北より県道を左に折れると、車で行くことができます)
大きな礫や角の尖っている礫が多数で、運搬作用で砕かれたり磨かれたりする前のようすが見られます。
(上の写真のみ225KB)
② 八紘嶺(はっこうれい)
安倍川の源流の1つで、梅ヶ島温泉を流れる川の上流にあり、標高が1918mです。下の写真の撮影場所は、安倍峠への林道の途中にある駐車場(トイレ)付近から見たもので、写真の左側が静岡県(梅ヶ島)右側が山梨県です。
③ 安倍峠
この付近も安倍川の源流の1つで、山頂の標高は1416mです。山頂のやや下に林道が通っていて、静岡市葵区梅ヶ島と山梨県身延町大城を結んでいます。
林道上の県境
(2)V字谷
安倍峠に向かう途中
(上の写真のみ210KB)
梅ヶ島温泉を流れる川の上流
(3)梅ヶ島温泉
静岡駅から北に道のりで45kmの位置にある山間の温泉地で、標高は約1000mです。バスでは1時間50分ほどかかります。単純硫黄泉で、1700年前には知られていたという伝承があるそうです。
温泉地と安倍川の支流
[参考資料]「宝永地震による土砂災害事例」内閣府
他、静岡市、静岡河川事務所、静岡地学会、「ウィキペディア」フリー百科事典等に資料が掲載されている
安倍川の全体的な記事 → 「写真で見る安倍川の姿」
文責:長谷川静夫(科学教育研究協議会静岡) 2019.3.1に文章を修正 skrc@sf.tokai.or.jp