紫いも粉(パウダー)を使ったpH実験について
色素のアントシアニンを使ったpH実験は、紫キャベツの絞り汁や抽出液での実験が有名ですが、紫キャベツが手に入らないときがあったり、液の保存がしにくいなどの弱点があります。 その点、紫いも(紅いも)の粉は使いやすいものでした。この実験は、だいぶ(十年弱)前に「静岡・高校理科サークル」で紹介された実験です。 しかし、紫いもの粉が身近で手に入らなくて、取り組んでいませんでした。
(1) 紫いも粉を使ったpH実験
写真の試験管で、右端の紫の液はパウダーを水に溶いてろ過したもので、 酸性溶液に加えると赤に変色し、アルカリ(塩基)性溶液に加えると緑から、濃いアルカリ性溶液では黄に変色します。 この写真は、少し濃いめに溶いています。(注)パウダーは水に溶けにくい。
(2) 紫いも粉の入手方法
沖縄県物産公社のショップ「わした」(静岡市駿河区小黒 Tel.054-203-4717) で、紅いも(紫いも)の粉末を販売していると教えてもらい、静岡市内の店舗を訪ねました。 一時期、東日本大震災(2011.3)以降にパッケージが入手できなくなったため、販売が中止されていましたが、その後、「紅いも粉末」(あるいは「紅いもフレーク」)(200g 525円 KKかねよし 沖縄県) の販売が始まっています。Webの「わしたショップ」でも入手できます。
また、紫いもパウダーというものが、製菓材料として販売されているということを知って、製菓材料店をあたりましたが、静岡市内にはなかなかありませんでした。たまたま訪ねた店で、そのときは手に入れることができました。「野菜ファインパウダー むらさき芋」(60g 520円 三笠産業KK 山口市) です。(上の写真の材料)
(3) 紫いも粉を使ったおもしろ実験
紫いもパウダーを混ぜた小麦粉を溶いて焼いた(紫の)ものに、酸性のレモン果汁をかけると赤に変色し、アルカリ性の重曹(炭酸水素ナトリウム)をかけると緑に変色しました。
また、もともと小麦粉に重曹が入った粉(ホットケーキのもとなど)に紫いもパウダーを混ぜ溶いて焼くと、青から緑のややグロテスクな色のものができます。
紅いも(紫いも)を使った沖縄の菓子にレモン果汁をかけると、添加物(着色料)が入っているため少し時間がかかりますが、それでも赤に変色しました。
文責 長谷川静夫(科教協静岡) skrc@sf.tokai.or.jp