科教協静岡「研修交流会」で、実際に作製体験をしました。講師は、戸塚享さん(仮説実験授業研究会会員)です。
「 ここで作成する分子模型は、空間充填モデルとかスチュアート型と呼ばれます。 また、実体積原子模型ともいわれ、本当の原子の大きさをもとにしたものなので、実際の分子の形をそのまま表しているといえます。 分子構造を直感的に理解するのに適しているため、最近報道されるいろいろな化学物質による事件の解説でも使用されています。
本当の原子の大きさは最小の水素の原子では半径1.2Å(オングストローム)、1億倍にすると1.2cmです。 ですから、直径が2.5cmの発泡スチロール球を使えば、ちょうど1億倍の水素原子になるというわけです。」(戸塚さんの資料より)
原子の種類と発泡スチロール球の色・直径(仮説実験授業研究会によるもの)
水素:白、25cm、 酸素:赤、30cm、 炭素:黒、35cm、 塩素:肌、35cm
1億倍の分子模型の基本製作セット(資料付き)
酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)、水(H2O)、エタノール(CH5OH)、メタン(CH4)
作り方の資料も付いていますが、戸塚さんが用意した電熱線カッターと木製孔定規を使うやり方で、直流電源装置も使いました。 発泡スチロール球なので電熱線で簡単にカットできましたが、木工ボンドでの接着も含めて、やはりちょっとしたコツもあり、説明を受けながらの取り組みで上手にできました。
1億倍の分子模型の選択製作セット(資料付き)
時間不足で製作まではできませんでしたが、戸塚さんが発泡スチロール球をカットした材料を多量に準備してくださったので、後は各自で作ることにして、希望者は持ち帰りました。
ダイオキシンは猛毒な物質で、ゴミを燃焼するとできると言われています。
塩素原子(写真の肌色の球)を含む化合物が分解し、 他方、ベンゼン環(6個の炭素原子が六角形に結合した部分)を含む化合物中のベンゼン環はしっかり結合して分解しにくいため、 その部分が前者の塩素原子と結合してダイオキシンが生じます。そんなことも、分子模型を見ると良く分かるということが、納得できました。
発泡スチロール球を使った1億倍の分子模型の製品、材料、道具の入手方法
「仮説社」や「海猫屋」で入手できます。インターネットでカタログが見られます。
(仮説社は、〒169-0075 東京都新宿区高田馬場2-13-7 小池ビル2F Tel.03-3204-1779)
「障がい福祉サービス事業所 コパン」(福島県会津若松市、Tel.0242-37-0511) 内の「分子模型工房」で、 1億倍や2億倍用の仮説カラーでの色つき発泡スチロール球とか、各分子用にカット済みの発泡スチロール球を販売しています。 費用はかかりますが、きちんとした完成されたきれいなもので、手軽に活用できます。コパンのホームページもあります。
文責 科教協静岡 長谷川静夫