2012年5月21日(月)の金環日食は、ほぼ日食の中心帯が静岡市付近を通り、静岡県は全県で金環日食が見られるという絶好の場所にあたります。 下図が静岡市でのデータです。
詳細は、インターネットのホームページで「金環日食日本委員会」を見ると、ポスター「どう見る?日食」や、学習資料「日食を安全に観察するために」(8ページ) などを入手することができます。
(1) 日食観測での注意事項
いろいろ報道もされていますが、太陽は日食の時でも、市販の専用の日食観察グラスで見る以外は、直接見ると危険だと言われています。 直接太陽を見たとき、快晴時の昼間の太陽ならば、合計が1秒ほどでも目に障害が出ることもあるようです。 金環食で太陽の大部分が隠れていても危険です。
短波長の青い光や、赤外線などが目を痛めるので、透けて景色が見えないものを通して見ても(可視光でよく見えなくても)、危険ということです。 特に、日食がちょうど子どもたちの登校時間にかかるので、子どもたちが太陽を見上げるのではないかと、心配されています。
・雲が出ていても、直接見てはいけません。ちょっとだけでもダメです!
・色つき(黒でも)の下敷きでも、サングラスや色つきゴーグル、黒いゴミ袋、ススをつけたガラス、現像済みフィルムの黒い部分等々でも、透かして見てはいけません!
・日食観察グラスを使う場合も、いきなり太陽の方を見るのではなく、下を向いて日食グラスを顔に当ててから、太陽の方を見た方が良いようです! (方向の検討をつけるためにちらっと太陽を見たり、すき間から太陽の光が入り込まないようにするという意味です)
・望遠鏡や双眼鏡などは光を集めるので、日食グラスと組み合わせて見るのも、ダメです!
(2) 日食観測のしかた
日食観察グラスで見る以外は、 ① ピンホールを厚紙に開けて紙に投影する(のぞくのは絶対禁止!) ② 小さな鏡(あるいは水面)で反射させたものを壁や紙に写して見る(鏡や水面を直接見ない!) です。 相手が太陽ですし、一回切りの現象ですので、事前に確かめましょう。
①と同じピンホール効果で、木漏れ日が、三日月に似た形(部分食中)や輪になり、その像が重なってみることができ、面白いです。
(3) 金環日食の写真(1987年に沖縄に見に行きました)
上の写真は、部分食のときに道路に見られた木漏れ日を撮影したもの。葉の隙間からの日光や、葉の影が三日月に似た形で重なり、おもしろい。
文責:長谷川静夫 skrc@sf.tokai.or.jp