~ 「子どもにとってワクワクするようなストーリー性のある単元デザイン」~
島田市神尾の「横臥褶曲断層」を活用した実践と、「傘袋を使った地層モデル作り」について発表しました。
(1) 横臥褶曲断層の活用
横臥褶曲断層は、大井川の河岸に見られる地層です。褶曲が起き地層が横向きになったことにより、見た目にインパクトがあります。しかし、それだけではなく、一般的には地層は下の層ほど古く、上の層ほど新しいですが、横臥褶曲断層は、上に行くほど地層が古くなる部分があります。そんな特徴を持つ横臥褶曲断層を教材として本実践を行いました。
「土地のつくりと変化」の学習は、身近な環境をテーマにした内容ではあるものの、子どもたちのアンテナには引っかかりづらい内容であることに課題があると感じました。そこで、どうしたら自分事として捉え、学びたいという意欲を持ち主体的に学びに向かえるようになるか考えました。その結果、自分たちが住む島田市の地層を取り上げることで、自然と興味を持って学習に向かうことができると考えました。
授業後の振り返りでは、「地層を実際に見学することが、地層を勉強する1番いい方法だと思った。」や「自分たちが生きているよりもずっと前からこの地層はあって、長い時間をかけて作られたと思うと、怖いと思った。」など、学びを実感するような内容が見られました。
(2) 傘袋を使った地層モデル作り
傘袋を使った地層モデル作りでは、ペットボトルやメスシリンダーで再現するよりも大きな地層を作ることができます(図2)。高さがあるので、なかなか泥が堆積せず水が濁っている様子がより観察しやすいのも特徴です。より迫力がある地層を作り、子どもたちにも印象に残りやすいのではないかと思います。
(執筆:鈴木拓実 理科サークル「SCIENTIA」)
この実践は、科教協静岡の第15回「研修交流会」小学校講座で紹介されました。