ラジオの気象通報により各地点の実況・天気概況を知ることができます。放送された各地点のデータを『ラジオ用地上天気図用紙(NHK第2気象通報受信用)』に記入して地上天気図を作成することが可能です。天気図を作成するには,天気記号,風力階級,16方位,気温,気圧を記録しなくてはならないため,必要感をもって気象要素を学べます。また,一度作成すると,天気図を読み取る際にも深い読み取りができるようになります。
● 天気図のつくり方
① 気象通報の情報を天気図用紙の表に記録する
② 表から,天気図用紙に記録する
③ 等圧線を引く
④ 低・高気圧の中心や,前線などその他の情報を記入する
⑤ 完成した天気図を,実際の天気図と見比べる
丁寧に行うと,それぞれ1時間ずつくらいかかるため,授業であつかう場合は,③で1000hPaか,1020hPaのみ引かせたり,④を省略したりして時間を短縮する方法もある。
● 気象通報について
気象通報はNHKのラジオ第2放送で,1日1回,12時発表分の天気を,16時台に放送する。放送される「各地の天気」と「漁業気象」の原稿は,放送当日の18時頃に気象庁のウェブサイトに掲載される。
・動画サイトのものがおすすめ
過去の気象通報の音源は公式なものはない。しかし,YouTubeなどにUPされている。YouTubeなどの動画再生サイトでは「設定(右図参照)」から「再生速度」を変えることができるため,生徒の実態に応じて放送速度を変更できる。また,何度も繰り返し聞ける。さらに,生徒が家でも聞ける。
・教材にふさわしい日を選ぶ
生徒が書きやすく,教えたい情報が網羅できる日を選ぶ。以下の条件を意識するとよい。
① 晴れ,くもり,雨があること
② 気圧配置がシンプルであること
③ 台風などの特異な天気でないこと
↓
おすすめするのは以下の日である。(※ 1)
・2019.5.18 ・2017.12.27 ・2013.4.27
※1 2020年はコロナウイルス感染拡大の影響で中国の天気情報がないものが多いためおすすめしない。
● ラジオ用地上天気図用紙について
天気図用紙はNo.1,No.2,携帯用があり,No.1はデータを記入する一覧表と地図,No.2は地図のみが記載されている。No.1が初心者向けであり,授業におすすめ。しかし,現在は流通が少ない。
この記事は、理科サークル「SCIENTIA」のニュース「Serendipity」№68(2021.2.25)から引用し編集したものです。「科教協静岡ニュース」№69に掲載しました。
問い合わせ先:「SCIENTIA」 高橋政宏 m-takahashi★ra3.so-net.ne.jp(★を@に変えてください)