~「m&m’sチョコレート」を使って水溶液に関する知識・技能の基礎を身に着ける~
中学1年生の水溶液の単元で「物質が水に溶けて広がるようす」の観察に、m&m’sチョコレート(以下m&m’sとする)を使った実践を報告しました。(関連記事:物質の溶け方の観察を「m&m’sチョコレート」を使って 2021.04)
今回は、単元全体を見通したm&m’sの活用について検討しました。たたき台となる授業案では、指導書の流れを基本とし授業時数と活用法に注力していました。しかし、サークル例会では「生徒の疑問を軸とした単元にすること」「予想したことを検証できる授業にすること」 というアドバイスをもらいました。改善前と後の具体的な内容を以下に示します。
① 指導書の流れを基本(改善前)
・単元の最初の授業で、物質が溶けて広がるようす( 図2)を、粒子を用いて説明する。
・温度による溶け方の変化については、時間がないので触れない、または紹介のみとする。
② 生徒の疑問を軸とした単元にすること(改善後)
・単元の最初の授業で、ビーカーに入れたm&m’sのようす(図3)を観察し、疑問をあげる。
・次の授業で、溶け方を粒子で説明したり、温度による溶け方の変化について考察したりする。
③ 指導書の流れを基本(改善前)
・水を入れたシャーレにm&m’sを置く
→ 触れていないのに色が広がった理由を、BB弾を用いて考える(図4)。
→ 班ごとに発表し、意見をまとめる。
④ 予想したことを検証できる授業にすること(改善後)
・水を入れたシャーレにm&m’sを置いたらどうなるかを予想する。
→ BB弾を用いて考える(図4)。
→ 水を入れたシャーレにm&m’sを置いて検証する。
(図4では、白が水で黄色が溶質を表しており、左が広がる前、右が広がった後を表している)
(執筆:杉本)
この記事は、理科サークル「SCIENTIA」のニュース「Serendipity」№93から引用し編集したものです。
問い合わせ先:「SCIENTIA」 杉本寛 pero_hiroshi★hotmail.com(★を@に変えてください)