「ハクセキレイ」は、大きさがハトとスズメの間ほど(全長約21cm)で、尾羽が長い細めの鳥です。
私は、街中の公園や緑地だけでなく、他の鳥があまりいない道路でも見かけることがあります。水田や畑の周囲にもいます。比較的気軽に見られる鳥で、近づいてもあまり人を恐れず、足速にさける程度です。
尾を上下に振って歩きながら、虫などの餌を探しています。また、飛ぶときは上下の波形を描くなど、セキレイの仲間の共通な特徴があります。
羽毛は黒と白のコントラストが鮮やかで、目を横切る黒い模様(過眼線)が目立ちます。脚とくちばしは黒です。頭から肩と背中にかけて、オスの夏羽は黒色、オスの冬羽やメスは灰色で、また胸には黒い羽毛が目につきます。
ハクセキレイは水辺に棲む鳥ですが、河川や池沼だけでなく用水路などの人工的な環境にも棲息できているということが良くわかります。日本での生息地は、二十世紀後半に北海道や東北から、冬鳥(冬に渡ってくる鳥)として見られた関東や中部でも繁殖をするようになり、各地で普通に見られる鳥になったと言われています。
5月~7月の繁殖期には、つがいで行動しているところをよく見かけます。下の写真は、5mぐらい先のメスを見ていたら、オスがやってきて翼と尾羽を広げて求愛行動を取り、ほんの一瞬で交尾をして離れていきました。人を恐れないのですね。(2020年5月8日 静岡市葵区 薩摩土手にて)
長谷川静夫(科教協静岡)skrc@sf.tokai.or.jp