日本には7種類のカラスがいると言われていますが、よくみかけるのは「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」です。頭やくちばしの特徴から区別できると知っていたつもりでしたが、写真を撮ろうとして遠くから見るときにはどうもうまく区別できませんでした。 長谷川静夫(科教協静岡)
【目次】
ハシブトガラス
ゴミ集積所でのカラス
ハシボソガラス
カラスのひなの成長
ハシブトガラス
特徴は、額が出っ張っていて、くちばしが太めで上側が曲がっています。遠くから見て区別できる特徴として、澄んだ声で「カーカー」と鳴くことや、スズメと同じようにジャンプするようにして移動することを知りました。
元々は森林で暮らしていたものが、街のビル街や住宅地に進出しました。街でごみをあさって生活できるようになったのでしょう。
童謡「七つの子」の田舎のカラスのイメージは、ハシブトガラスなのでしょうか。
餌も高いところに運んで食べることが多いようです。探しても、比較的高いところにいるので、撮影しにくかったのかもしれません。
ゴミ集積所でのカラス
カラスがゴミ集積所で袋をつついて、生ゴミを引き出すのは困りものです。あるときには、登校途中の小学生が怖がって立ち往生しているのを見かけたことがあります。 右の写真では確かではありませんが、街でゴミをあさるのはハシブトガラスが多いようです。
カラスは視覚が発達していますが、嗅覚はよくないので、もっぱら目で食べ物を探します。 特に、肉の赤みの色や、果物のオレンジ色などから見つけます。 ゴミ袋にネットをきちんと掛けるとか、袋の中の見えないところに生ゴミを隠すだけで被害が減ります。
ハシボソガラス
特徴は、額が出っ張っていなくて、くちばしが細いため、横顔がすらっとしているように見えます。遠くから見て区別できる特徴として、濁った声で「ガーガー」と鳴くことや、足を交互に動かして移動することを知りました。
河川敷や農耕地のような開けた土地で生活をしていたので、人間の生活場所と重なってきたのでしょう。餌も地面で食べるようです。
都市では、ハシブトガラスが優勢になった様ですが、静岡市では、ハシボソガラスも街中の公園にいて、地上に降りて餌を探しています。そのためか、比較的に撮影が容易でした。
カラスのひなの成長
静岡中央高校に勤務していたとき(2007年5月)、カラスが学校の照明塔に巣を作って雛を育てました。ちょうど理科教室の目の前だったので、時々観察をしました。親は敏感で、窓際にそっと近づいてもさっと逃げてしまって、遠くから様子を見ていたため、雛への餌やりなどは見ることができませんでした。
4月末の連休中に雛を産んだようで、下の写真は、気づいた5月2日から1羽が巣立った後の5月22日までの写真です。雛は2日には3羽いましたが、まもなく2羽になってしまった経緯はよくわかりません。巣は、太めの枝をしっかり組んで、雛がいる下は細めの枝と羽毛を敷いているようです。