中学校2年生の物理単元において、「プラズマボール」(図1) という教材を用いて演示を行いました。
プラズマボールは、ドーム状のガラス球の中の空気を抜き、空気の代わりに低圧のアルゴンなどのガスが封入されています。
ガラス球内の中央部にある突起のような部分に、内部の高周波発振器で発生させた高い周波数の電圧をかけることで、内部のガスがイオンと電子に分かれプラズマ状態になり、気体中を電気が流れる放電現象を確認することができます。 プラズマ中を電気が流れるとき「プラズマ光」と呼ばれる光を放ちますが、これは電圧や内部のガスによって色が違うようです。
誘導コイルを用いた放電現象の確認はかなり危険で、とても生徒実験として体験させることはできませんが、プラズマボールはガラス球に触れても危険はなく、触れる部分にプラズマ光が集まる様子を楽しく観察できます(図2)。 また、ネオン管や蛍光灯を発光させることもできるので、電子の流れがあることも確認できます(図3)。このときプラズマ光がネオン管等に引き寄せられる様子も確認できます。
不思議なプラズマ光の動きは生徒も興味津々で、SCIENTAの例会では大人も楽しく実験できました。
しかし、絶縁体であるはずのゴム板にも吸い寄せられたり、今度は磁石には反応しなかったりと、不可解な点も多くありました。教材として使用するにはもう少し研究が必要そうです。
また、生徒たちはとても喜んで触りたがりますが、時期が時期なので、インフルエンザに注意したいですね。(私は消毒スプレーをしてから使用)
入手も容易で、今回購入したプラズマボールはAmazonで1,000円程度の安価で購入できました。
執筆協力:栃山(理科サークル「SCIENTIA」)
問い合わせ先: 「SCIENTIA」 髙橋政宏 m-takahashi★ra3.so-net.ne.jp(★を@に変えてください)