1)光の学習は魅力的
・ 科学概念の優位性を感じる。 (法則は絶対なものである)
・ 数学との結びつきがある。 (図形的な分析・考察)
・ 科学の研究が私たちの生活を豊かにしている。
・ 新しいものの発明が生活を大きく変えることになる。
・ 理科の有用性を感じる。
2)光の学習で行うこと
・ 方眼紙を用いた作図をできるようにする。(幾何学的な規則性を見いだす)
反射の法則 屈折角の分析 全反射するかどうか 像の作図etc
・ 問題解決型の授業を行う。(「ふーん」「へえ」で終わらせない)
①予想がくつがえされる。 (概念の変容や確信が生まれる思考の時間)
②科学概念の優位性を感じる。
・ 光の特性。(教材の魅力)
最速 情報活用 LED 像
3)三原色の光の影
・ 赤青緑のLEDライトで棒を照らしたとき、後ろにできる影は?
・ 子どもは、 「3本の黒い影ができる」や「赤・青・緑の影ができる」を予想する。
→正答は「赤・青・緑ではない異なる3色の影ができる」
・ 緑の光による棒の影=青+赤の光が届く=むらさき色の影 (マゼンタ)
青の光による棒の影=緑+赤の光が届く=黄色の影 (イエロー)
赤の光による棒の影=緑+青の光が届く=みずいろの影 (シアン)
4)自分の全身を見るためには、いくらの鏡が必要か?
・ 鏡と物体(光源)と目があるとき、その光のすじみちを作図できない。反射の法則を使えなくて、子どもは適当に物体から目までの線を引いてしまう。
・ その作図の後この問いをするが、子どもはほとんど間違える。実験は、小集団で階段の踊り場(鏡)に行き、鏡に映る自分の頭と足の先に付箋をつけてもらい、その間を測る。(160cmの身長ならば80cm)
【注】図は西村さんの授業プリント、赤線での説明は編集人
5)反射板では、反射の法則が成り立っているか?
・ 自転車に取り付けられている反射板は、 自動車のヘットライトの光がどんな方向から当っても、 必ずその自動車の方向に光を反射して、自転車の存在を知らせる。
・ 入射角と反射角が等しいという反射の法則が成り立っているか?→反射板内部の構造は、 垂直に合わせた3枚の鏡の集合(コーナーキューブ)で、 どこから光が入射しても反射の法則が繰り返されて、 元の方向にもどって行く。
【参考:理科サークル「SCIENTIA」のニュース「Serendipity」№24(2016.12)】
6)水の中で消えるチョーク(全反射)
・ チョークを入れた試験管(中は空気)を水の中につけて、上から見ると試験管の中のチョークが見えなくなる。 (写真右)
【注】この現象は、 試験管のガラスから中の空気への経路(内壁)で全反射が起こり、試験管が鏡のようになって外の水が写り、 試験管内のチョークが見えなくなっていると思われる。 その説明をするかどうかは別にして、 全反射の導入として驚かせることができる現象である。 (編集人)
7)丸底フラスコで黒い画用紙が燃やせるか?5分以内に燃やそう。
・ フラスコのままではだめで、 中に水を入れると燃やすことができると気がつく。(凸レンズの導入)
この記事は、理科サークル「SCIENTIA」の「授業づくり・実験講座」(2018.5.20) での西村紳一郎さん(中学校勤務)の発表です。 (科教協静岡:長谷川)