藤枝市はどの学校にも藤棚があり、フジは生徒にとってなじみ深いモノである(※1)。 フジは美しい花の他にも、 大きな「さや」と「豆」ができるのでも有名である。花の観察を通して、胚珠や子房に気付かせるには良い教材である。
● フジの花を使った授業のすすめ方
①これは何でしょうか。
・フジの豆だ!種だ!
②フジはきれいな花でも有名ですが、このような大きな「さや」の中にある大きな「豆」でも有名です。さて、この「豆のもと」はいつからあるのでしょうか。
ア 花が咲き終わってから。 イ 花弁が開いた時から。 ウ つぼみの時から。
・豆は花の後できるものだ。
・タンポポはつぼみのときから種子があった。
③つぼみのときから「豆のもと」があるのでしょうか。観察してみましょう。(※2)
↓カミソリで切った、つぼみの断面図
↓双眼実体顕微鏡で見た、フジの胚珠
・つぼみのときからすでに「豆のもと」がある。(※3)
・タンポポと同じだ。
④このように、花には将来種子(豆)になるものがめしべの付け根に入っています。これを「胚珠」といいます。胚珠を包んでいる場所を「子房」といいます。
●注釈
※1 藤枝市の市の花。4月下旬~5月上旬に多く咲く。9月中旬頃には、さやが干からび種子が落ちる。
※2 カミソリで切らせる。 フジの胚珠はつぼみの時から赤みを帯びており、発見しやすい。
※3 フジの種子と色も大きさも異なるため、生徒は「種子ではないもの」=「将来種子になる」=「胚珠」というイメージを持ちやすい。
藤枝理科サークル「SCIENTIA」 高橋政宏さんの資料から引用して編集
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