プーリー付き手回し発電機を用いて
「もともとあったエネルギーが、そのまま別のエネルギーに変換されるわけではない」ということが、実感できるようにしたとのことでした。
[発問例] 400gのおもりを1mの高さに上げると、4J位置エネルギーがあることになります。このおもりを落とすエネルギーで発電機をまわして発電させると、位置エネルギーの何%が電気エネルギーになるでしょうか。
ア 100% イ 100%より多い ウ 100%より少ない
[結果例] 1mのところからペットボトル(水を入れて400gにする)の入った袋を落下させる。
発生した電流 0.21A 発生した電圧 3.5V 落下時間 6秒
位置エネルギー = 力 × 距離 = 4(N) × 1(m) = 4(J)
電気エネルギー = 電力 × 時間 = 0.21(A) × 3.5(V) × 6.0(s) = 1.1(J)
変換効率 = { 1.1(J) / 4(J) } × 100 = 28.4(%)
[注] 豆電球は、1.5V用だと500g以上のおもりでないと、点灯しない。
プーリー付き手回し発電機(YAGAMI製)の代わりにマブチモーターを使うと、かなり軽いものでないと実験がうまくいかない。
[参考]「新しい科学3」東京書籍(2012)
【当日の話し合いより】
・豆電球をLEDに変えて同じ実験をすると、変換効率の違いを実感できるだろう。
・手回し発電機をまわす手ごたえや台数で、豆電球とLEDの違いを感じることもできる。
・エネルギーの総和は変わらないということをどう理解させるか。
エネルギーA>エネルギーA´のため、エネルギーが減った(消えた、逃げた)と考えてしまいがち。
↓
・熱エネルギーを感じさせるのではどうか。
・熱エネルギーは分子運動による運動エネルギーとも考えられるので、運動エネルギー → 運動エネルギーで何も変わっていないことを理解させる。
「静岡理科の会」1月例会にて
発表:髙橋政宏 問い合わせ先:m-takahashi★ra3.so-net.ne.jp(★を@に変えてください)
記録:小長井華子 文責:長谷川静夫(科教協静岡)