商業高校の3年生の授業「科学と人間生活」の実践で、電流の授業をした記録です。A4の生徒用の報告用紙はタイトル(自分で考える)、内容(記録)、感想etc.を書くようになっています。授業は、演示実験が15分、その後生徒どうしで話をしながら記録を書いて提出をして終了、次の時間に良い記録(生徒のもの)を印刷して配り、それを使って説明とまとめをします。つまり、実験をしたその時間にはまとめはしません。以下は、その良い記録(部分)です。尚、実験は昔から科教協で良く実践されてきたものを活用しました。 (科教協編集 本の泉社発行 「理科教室」2017年5月号 の「授業で生かす実践記録」に、この詳しい実践が掲載されています)
● 直列回路では、100W電球と20W電球のどちらが明るいか? → 直列では20W電球が明るい
【生徒の感想】直列回路で20Wの方が明るく光ったのはとても意外でした。私は全体の電流は同じだからどちらも同じくらい光ると予想していました。計算すると「抵抗」が絡んできて、なんとなく理屈がわかりました。
● 100Vの交流で、人も入った(並列)回路を作ろう! → 生徒は大変ビビッていた!
抵抗値は、電球が数Ω~数十Ω(電流が流れ光っている場合)に対して、人は数百kΩと大変大きい。
【生徒の感想】最初、アルミパイプのところをもつと、人はしびれると思っていたけど、(略)。人の抵抗は、自分が思っていたよりもはるかに大きいことがわかり、びっくりした。
写真は理科の会にて。100V電源に接続したスライダック(変圧器)から電球→アルミ棒という回路を作り、手をつないだ2人の人がアルミ棒をにぎる(並列)実験。
● 電球のフィラメントを熱したり冷やしたりしたときどう変わる? → 温度と抵抗値の関係
【生徒の感想】今回の実験は1番理解するまでに苦戦した分、1番納得し原理がわかりました。‥‥電気のことに温度が絡んでくるなんてびっくりしました!
写真は理科の会にて。直列につないだクリア(透明ガラス)電球とガラスを割ってフィラメントを出した電球に、スライダックで電圧を上げて行きクリア電球のフィラメントが光る程度で実験をする(電圧を上げすぎると、空気中に露出したフィラメントが燃えてしまう)。ガラスを割った電球のフィラメントをライターで加熱している。
● (番外) 電球に乗る ← 厚めの板の下面で正三角形の頂点に電球(ソケット付)をつけた装置
【生徒の感想】65kgがのっても割れずにそこで立ったということに驚いた。○○が一気に体重をのせた(ジャンプした)が割れないということは瞬間の力にも強いということが分かった。よくアーチ型の橋を見掛けるがアーチという構造はとても強いということも理解できた。
この記事は、「静岡理科の会」の10月例会で紹介されたものです。
紹介:篠﨑勇 shizuoka_koko_rika_c@yahoo.co.jp