試験管にアルミ箔を混ぜたメタノールを入れ封印する。手のひらの熱で簡単に対流が観察できるため、短時間で実感を伴って理解することが可能である。
● 「手のひらの熱でできる対流実験」の準備
メタノール、 試験管(太いものがよい)
アルミニウム粉、 ゴム栓(試験管にあうもの)
パラフィルム(ビニルテープで代用できる)
● 「対流観察用試験管」の作り方
① 試験管にメタノールを9分目ほど、アルミニウム粉小さじ1ほどを入れ、ゴム栓でしっかりと栓をする。
② メタノールが漏れないよう、パラフィルムを試験管の口とゴム栓の隙間を埋めるように巻き付ける。
● 「対流観察用試験管」の活用
① 試験管を傾けながら、メタノールとアルミニウム粉をよく混ぜる。
【注】メタノールは揮発性が高く、引火の危険性もあるため、周りに火の気のない所で換気をして実験する。また、飲用毒性があるため扱いには十分注意する。
② 試験管下部を手のひらで包むように持つ。
③ 数秒観察を続けるとアルミニウム粉がメタノールの対流によって激しく動く様子が観察できる。(右の写真)
④ カイロで温めたり、冷水で冷やしたりしながら熱の大きさによる対流の速さの違いを観察し、対流が熱によっておこることをまとめる。
【注】この実験は自分の手の熱で実験すること。あまり熱いと、メタノールが膨張して危険である。
この教材は、川上真哉氏(東京大学)から紹介していただいたものを改良した。
メタノールの危険性を考えエタノールで実験したが、メタノールほど良い対流が見られなかった。メタノールの体膨張率が良いためと、メタノールの粘度(粘性)が小さいことがあるのでしょう。
それでも、小学校では落としてガラスの試験管を割ったり、ふたが外れることがありうると言われました。プラスチィックの試験管(小さい)も市販されているようですが、ホースを切断するとか、尿検査の容器が余っていて活用できないかとの提案が出されました。また、太めのペットボトルでは、表面での対流の沸き出しも見られるかもしれないとも。いずれにせよ、ふたが外れないように厳重に封印をすることが必要です。
この教材は、「静岡理科の会」10月例会で紹介されたものです。
紹介:高橋政宏 m-takahashi★ra3.so-net.ne.jp(★を@に変えてください)