NPO法人「地下からのサイン測ろうかい」総会に参加しました
この会は、東京大学で長い間地下水温と地下水位の観測等の地震予知の研究をされていた佃為成先生が、 退職後に研究・観測の終了を求められて、継続観測を続けることが重要なこの研究・施設を、続けるためにも設立をしたとのことです。
また、以前から静岡県内にも数カ所の観測井戸があり、科教協静岡の会員でもある上久保廣信さん(「測ろうかい」の事務局長)は、 その観測の協力をされていたと聞いています。
この会は、現在では会員が全国にいて、大学から中学校の教員、気象や防災の専門家、自治体職員をはじめ、 高校生や直接地震研究には関わりのないお店の方も参加しているとのことでした。
研究の観測地点には、東京大学地震研究所をはじめ、全国に31か所の観測点があるそうです。 この観測点での観測情報やその分析報告、地震があった場合の情報等がメール添付(パソコン環境がなければ印刷物)で、毎月何回も送られてきます。 研修会や講演会も開かれています。NPOの名称もユニークですね。
会では研究・観測活動を広げ支援するためにも会員を求めています。
年会費が3,000円(大学生・大学院生は1,000円、高校生は無料)
連絡先:〒431-3126 浜松市東区有玉台4-3-2 上久保廣信さん メールアドレス:hkamikubo@gmail.com
今回の総会では、次の2つの記念講演も行われました。
「地下水温はどんな『地下からのサイン』なのか」 佃為成氏(NPO理事長)
岩盤内部にずれの亀裂、断層ができるのが地震です。その岩盤にかかる力とずれを模式的に示す実験が、下の写真です。
厚いゴムのスポンジ(縦横が10cm厚さが2cmぐらい)を岩盤と見立てて、左右から大きな力を加えます(写真ではC型クランプ、当日は手で力を加えた)。 スポンジの表面に貼った丸いラベルが動きを示します。
実際には写真下の図のように左右からの力が加わると、どちらかの横ずれ断層が生じて岩盤が矢印のようにずれます。 スポンジでは、図のどちらかの断層のようにスポンジの対角線に沿って両端を除き中央付近に切れ目を入れておくと、力がかかったときのずれがわかりました。 ずれの向きとともに、赤丸部は膨張、青丸部は縮小となります。
「震災から生命を救う心がまえ25ヵ条」 中浜慶和氏(NPO国際協力アカデミー 幕末に漂流しアメリカから帰国したジョン万次郎のご子孫だそうです)
「完璧な対策はない。備えがあればチャンスが増える」という立場で、具体的で分かり易い内容をスライドを使って話されました。 「呼ばれれば講演に行くよ」とのことです。
文責:科教協静岡 長谷川静夫