① 黒板上でおこなう運動の実験装置
現在の黒板は磁石が使えるので、力学台車やテープタイマーなどを乗せても落ちないように装置の裏に大型磁石を取り付け、等加速度運動などの演示実験ができるようにしたもの。
装置上のレールと力学台車
装置裏に付けた強力磁石
② 黒板拭きクリーナーのモーターを活用した送風機
配管に使う様々なサイズの塩ビパイプとジョイントを活用し、その中に黒板拭きクリーナーのモーターを仕込み、送風機としたもの。 塩ビパイプの密閉性を生かして、強力な送風機となっている。 黒板拭きクリーナーのほか、掃除機や扇風機などのモーターもたくさんスペアーとして準備されていた。
モンキーハンティング
「送風機」をセットした「装置」はバズーカ砲のように大きく、ゴルフボールを弾として発射することができる。 装置中央から弾を込め、スイッチを入れると送風により弾が発射され、管の先端のアルミ箔を破り弾が飛び出す。 「装置」で狙いを定めた先には、空き缶が電磁石で付いている。弾が発射され、アルミ箔が破けた時、電磁石の回路が切れる。
「装置」の先から発射された弾と空き缶の重力による落下時間(落下距離)が等しいので、両者は衝突する。 写真は赤いゴルフボールが空き缶にあたったところ。
③ 自作のホバークラフト
塩ビパイプの密閉性を生かした一人乗りのホバークラフト。一つのモーターでもジョイントできっちり送風を三つに分けることができる。
④ テスラタービンの自作
CD盤を隙間をあけて重ねて接着し、それをCDケースに入れる。 CDケースにはパイプが2本接続されていて、一方から「送風機」で風を送ると、空気の粘性でCD盤は勢いよく回る。 その回転はまさしくターボのようにうなりをあげて回る。
⑤ 自分を持ち上げることができる滑車
滑車にかけた綱の一端につけたいすに座り綱の他端を引っ張ると、座ったいすごと自分を自分持ち上げることができる。 この写真にははかりはないが、引っ張る綱にはかりを付けて測ると、はかりが示す力の大きさは体重の約半分。
⑥ 電池接続の仕方で電池の起電力(電圧)の意味を知る
写真のどちらも乾電池も3本だが、上側は3本直列で4.5V。下側は右の乾電池が逆になっているため、起電力が逆なので全体の電圧は減少する。 そのため豆電球はつくけれど暗い。
【注】電池に電流を逆に流し続けると、電池からの液漏れ等の原因にもなると言われている。 このように接続するのは、見せるときだけにして、常時展示はやめた方がよいであろう。
⑦ ホイートストンブリッジ回路の実験
下の写真は5つの豆電球が回路の中にセットされていて、スイッチをONにしてあるが、真ん中の豆電球が点いていない。 豆電球はどれも同じもの(同じ抵抗)なので、真ん中の豆電球の両端にかかる電圧が同じになるため、 その間には電流は流れないという「ホイートストンブリッジ」の演示。
⑧ ケルビン発電機の自作
上の容器の水が2つのノズルを通って流れ落ちるとき、水が連なって落ちないようにする。 その水滴はそれぞれ金属の細管の中を触れることなく通って下の金属缶に落ちる。 右の細管は左の金属缶に、左の細管は右の金属缶に導線でつながってて、この装置は左右でわずかに電荷の偏りがあり、 右の細管が+に帯電しているとすると、そこを通る水滴は-となって右の金属缶に落ちていく。
-に帯電した右の金属缶は左の細管につながっているので、左の細管を通る水滴は+に帯電して、左の金属缶に落ちて行き+に帯電する。 この繰り返しにより静電気が貯められていく。これがケルビン発電機の原理。
⑨ 電界立体模型
言葉や図で表現して終わってしまうところだが、それを模型で表現しようとするところがすごいと思う。
⑩ ペットボトルでの水ロケット
ペットボトルを2本接続して飛距離を伸ばしている。 また、発射台からの切り離しも、自転車のブレーキ部を活用して、離れた位置から操作ができるようになっている。
⑪ 同調する振り子の装置
ゴルフボールをとめたひもの長さを少しずつ変えた振り子の列。振動する周期が少しずつ違うので、一斉に揺らすと揺れが不揃いになっていく。 しかしやがて揺れが揃っていくことを繰り返す。糸の長さが調節できるように、クリップで一つ一つの振り子が止められていた。 ユーチューブで見た作品を作ってみたとのこと。
⑫ 自作アルプスホルン
本物は木製であるが、これはいくつかの太さの塩ビパイプとジョイントをつなぎ合わせたもの。 管の長さで狙った音階を出すことができる。ジョイントのところで分解できるので持ち運びも可能。
静岡・高校理科サークルの1212年9月例会で、瀧 典靖 さん(静岡高校)に手作りの物理実験器具を紹介していただきました。瀧さんは、授業で使う様々な物理実験器具や模型を、精力的に手作りされています。 (以上の内容は、主として静岡・高校理科サークル「通信」から引用しています)