「冬の星を見る会&教育研修交流会」 を、2011年12月23日午後~24日午前中に、川根本町の宿泊施設「ウッドハウスおろくぼ」と同じ敷地内にある 「緑の伝習館」「三ツ星天文台」を利用して、「科教協静岡」と「静岡・高校理科サークル」との共催で開催しました。
○ 「三ツ星天文台」での星空観察
「三ツ星天文台」もこぢんまりした外観ですが、内部には大型の望遠鏡(口径400㍉カセグレン式反射望遠鏡)があり、 コンピューター制御で導入して簡単に天体を見ることができます。 環境省の全国星空継続観察(1994年)の結果、川根本町(旧中川根町)が「澄んだ星空全国第2位」に選ばれたことを記念して、 2001年にこの天文台が建設されたそうです。川根本町の力の入れ方もうかがえます。
この日は快晴で、きれいな星空が観察でき、寒さを忘れて見入りました。 夏から冬の星座とともに、カシオペア座からはくちょう座にかかる天の川もたいへん良く見えました。 望遠鏡では、観望の好期の木星やガリレオ衛星、普通は見ることが困難な天王星、オリオン座大星雲やかに星雲などのガス星雲、 アンドロメダ星雲(銀河)、カシオペア座の二重星団、色の違いが鮮やかな二重星などを次々に見ました。
ガイドは当日担当のスタッフにしてもらいましたが、スタッフをしている会員の森伸一さんの紹介で、楽しく観察ができました。
天文台は、金~日曜に晴天ならば一般公開をしていて、19時から22時に天文台に出かければ、ボランティアスタッフの手助けで星空の見学ができます。 参加費用は400円(一般)です。
○ 講演「原子力発電所と事故に関する学習」 → (リンク先に記事があります)
「ウッドハウスおろくぼ」は、国道を奥川根に向かって進み川根本町の役場の近くを通りすぎて後、 南赤石林道に折れてから15分程度細い山道を進むと、於呂久保集落のすぐ上にありました。 林道の周囲のほとんどは針葉樹林で、昔の林業が盛んだった頃が忍ばれます。
「ウッドハウスおろくぼ」は、まだ新しいしゃれたログハウス風の木造2階建てで、和・洋室合わせて7室あり、 また吹き抜けの開放的な食堂と、風呂等もあります。 現在の施設の担当者のアイデアでしょうか、食事は洋食のコース料理で、夕食では1時間余をかけてゆったりといただきます。 おいしく楽しめました。施設では、レストランとしての営業もあり、昼食も含め2日前までの予約で食事ができるということです。
宿泊施設とは別に、こぢんまりとした会議棟「緑の伝習館」があり、学習会に利用しました。 ただこの会議棟の暖房は石油ストーブが1つで、寒かったのには困りました。やはり冬の山は冷えましたが、夏なら涼しくて良いことでしょう。
また周囲の自然も豊かで、冬の好天にも恵まれ、夜の星空はたいへん美しいものでした。 施設から舗装道路を20分程度登った白羽山展望台は、大井川の蛇行や河岸段丘、 そして富士山や南アルプスの山の稜線も良く見ることができ、地学的にも興味深いところです。
ただ、施設へは公共交通機関はなく、車でしか行けないのが難点と言えば言えそうです。 もよりの大井川鉄道の下泉駅からでも車で20分余必要です。
担当 長谷川静夫(科教協静岡)