静岡・高校理科サークルの例会に参加しました。参加者は少なかったですが、興味深い話が聞けました。
(1) 紫いもパウダーを使ったpH実験
色素のアントシアニンを使ったpH実験は、紫キャベツの絞り汁や抽出液での実験が有名ですが、 紫キャベツが手に入らないときがあったり、液の保存がしにくいなどの弱点があります。 その点、紫いも(紅いも)の粉は使いやすいものでした。
この実験は、しばらく前にサークルで紹介された実験です。しかし、紫いもの粉が身近で手に入らなくて、取り組んでいませんでした。
最近、沖縄県物産公社のショップ「わした」で、紅いも(紫いも)の粉末を販売していると教えてもらい、静岡市内の店舗を訪ねました。 しかし、東日本大震災以降にパッケージが入手できなくなったため、販売を中止し再開をするかどうかは未定ということで、手に入れることができませんでした。
紫いもパウダーというものが、製菓材料として販売されているということを知って、製菓材料店をあたりましたが、静岡市内にはなかなかありません。 たまたま訪ねた店「Jhc MIDORI」(静岡市葵区竜南 Tel.054-247-6809)で手に入れることができました。 「野菜ファインパウダー むらさき芋」(60g 520円 三笠産業KK 山口市)です。
写真の試験管で、後方の紫の液はパウダーを水に溶いてろ過したもので、酸性溶液に加えると赤に変色し、 アルカリ(塩基)性溶液に加えると緑から濃いアルカリ性溶液では黄に変色します。
紫いもパウダーを混ぜた小麦粉を溶いて焼いた(紫の)ものに、酸性のレモン果汁をかけると赤に変色し、 アルカリ性の重曹(炭酸水素ナトリウム)をかけると緑に変色しました。
紫いもパウダーをもともと小麦粉に重曹が入った粉(ホットケーキのもとなど)に混ぜて溶き焼くと、青から緑のややグロテスクな色のものができます。 また、紅いも(紫いも)を使った沖縄の菓子にレモン果汁をかけると、添加物(着色料)が入っているため少し時間がかかりますが、それでも赤に変色しました。
その後に「第4回研修交流会」で紹介したときの詳しい記事があります。 → (リンク先)
(2) ガラス玉顕微鏡
初めて顕微鏡を作って微生物を発見したレーウェンフックの単眼顕微鏡と同様な、簡単にした自作品です。 穴の中には2mmのガラス玉(ガラスビーズ)がはめ込んであって、穴からプレパラートの試料を見ます。 ピントは、プレパラートと塩ビ板の台の間隔をねじで調節します。150~200倍程度になるとのことです。 ねじなどの調節器具がなくても、ガラス玉をはめ込んだ板とプレパラートの間隔を手で前後し、ピントを合わせて見ることができます。
写真のプレパラートは、タマネギの鱗片の裏側の表皮を、赤インクで着色したものです。 やや全体に赤っぽかったですが、酢酸カーミンなどの薬品を使わなくても細胞の核が染まっていました。
下はガラス玉顕微鏡の製作用部品です。
(3) 原子力と原子力発電に関する講座用の資料
地域の皆さん対象の学習会で活用するものとのこと。参加者で検討しました。
(4) 東海・南海沖地震の巨大化の恐れ
東日本大震災のような、震源域の連動による巨大地震のしくみが紹介された。
(5) 腰痛のしくみ
本人が経験した腰痛の起こるしくみを、入手した腰椎の模型を使って説明された。
(6) イタリア旅行の紹介
訪れたピサの斜塔のことや、入手したカエデの大きな種、トナカイの角が紹介された。
文責:長谷川静夫(科教協静岡)skrc@sf.tokai.or.jp