科教協静岡「研修交流会」(2011.3.26) で、静岡科学館「る・く・る」の鈴木芳徳さんが話してくださったことと、 「NPO法人 富士の国・学校ビオトープ」の観察シートの内容で、「ダンゴムシの種類の見分け方から、地域の環境を知る」を紹介します。 【関連】「科教協静岡」第3回「研修交流会」
子どもたちが好きなダンゴムシは、学校でも花壇や植木鉢の下など、身近なところで良く見つかる。観察・採集には、惣菜を入れるプラケースと割り箸が使いやすい。(下の写真を参考)
「ムシ」といっても、甲殻類(エビやカニの仲間)で、陸上生活に適応した種類。ダンゴムシはさわると丸くなるが、似ていてもさわって丸くならないのはワラジムシ。
ダンゴムシやワラジムシを見分けてみると、環境の変化の影響や、在来種と移入種のせめぎあいが見られて、身近な自然環境を知ることになる。
コシビロダンゴムシのなかまは在来種で、湿り気の多い森林などの環境を好み、近年の市街地の広がりから生息場所が減ってきている。 コシビロダンゴムシを見つけたら、それは、昔からの森林環境がよく保たれている証拠となる。 見分けるには、ダンゴムシの腹尾節(最も後ろの節で、腹と尾がくっついた部分)が、中央がくびれた鼓型をしているのでわかる。
オカダンゴムシは移入種で、明治時代に日本に入ってきたといわれる。 比較的乾燥に強く、ダンゴムシの仲間ではめずらしく、都市化した湿り気の少ない環境にも進出している。 静岡市の街中では唯一見られるダンゴムシのようだ。見分けるには、腹尾節が逆三角マークをしているのでわかる。
文責:長谷川静夫(科教協静岡)