科教協静岡「研修交流会」テーマ「校庭や公園での生き物の観察」
3月26日(土)午後に、静岡駅前の静岡科学館「る・く・る」と近くの森下公園で開催しました。
交流会のⅠ部では、森下公園にて「る・く・る」職員の鈴木芳徳さんを中心にして、
「学校や街角で生き物を観察するときのポイント」ということを、実地で紹介してもらいました。
どんな季節でも、木の根元、草むらの落ち葉の吹きだまりや石をどけると、そこにはダンゴムシやヤスデ,などの小動物がいる。 その小動物の観察・採集には、惣菜を入れるプラケースと割り箸が良い。(上の写真)そのダンゴムシの種類の見分け方。 →
(リンク先に詳しい記事があります)
トウカイタンポポ(東海地方の在来種)と外来タンポポ、その雑種との違い。外来タンポポは、受粉せずに種子ができるので、繁殖力が強い。 → (リンク先に詳しい記事があります)
街中の草花は外来種が多く、外来生物の図鑑が活用しやすい等々。
「ちょっとしたことが子どもたちの見方を育てることに役立つと思い、授業に使えると思いました」等の感想がありました。
「る・く・る」の実験室でのⅡ部でも、まず鈴木さんからいくつもの冊子や観察カード等の資料を使って説明を受けました。
鈴木さんは、「ビオトープ」という言葉の使われ方が、「水辺を配した…水生生物とか水草を観察する活動」に限られて、 「ビオトープ(水辺)をつくれば、自然の乏しい場所でも生きものとふれあう機会を創出できる」ということだけではおかしいと言います。
もっと広くとらえ、「自然体験に活かせる可能性を秘めたビオトープは、街中にも校庭にも、生活圏のあらゆる場所に点在」している。 清流や里山での自然体験や、それを模した『ビオトープ』だけでなく、今の子どもたちが住む街中の自然を観察することで、 「彼らにとって身近な自然の価値を保障してあげるために」、「それらもまた豊かな自然体験だ!」と伝えたいと。
以下は、参考資料です。
「街中で自然体験! 見つけてみようビオトープ」 全28㌻ (以下、NPO法人 富士の国・学校ビオトープ 発行)
「街なか 自然体験のヒント」 全20㌻ (以上、小学生との活動を通した写真と説明での冊子)
「歩いてみつけた 街のいきもの 草の花・ムシたち・木の実」 全60㌻ (静岡市での生き物の写真と説明)
特に、セミのぬけがらを見分けて種類の比率を出すことで、地域環境が変化しているかどうかを調べようと。 木々がまばらで地面が乾きがちな所ではクマゼミが多く、日陰の多い境内などではアブラゼミが多い傾向があるとのこと。 まだ解明されていないことが多く、データの積み重ねが必要なようです。
ぬけがらの調査ならば、虫にさわれない子もさわりやすいし、生態系にも影響を与えないのも利点とのことで、協力・共同の活動を求められました。 →
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「資料がまず良かったし、使い方に対するアイデアを教えてもらったのも良かった」等の感想がありました。 「る・く・る」では、学校に出向いて紹介活動ができるし、学校関係には、ある分について資料も提供してもらえるとのことです。
つづいての報告は、浜松の須部さんからの「小学校での植物観察」の実践です。
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また、静岡・高校理科サークルの篠崎さんから「台所のもので葉脈標本を作ろう」ということで、重曹を使って実際にナンテンの葉の標本を作ってみました。 →
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参加者の興味深かったという感想に励まされます。
担当 長谷川静夫(科教協静岡)