まず日常生活から、酸性とアルカリ性のものをあつめます。
酸性・・・・・・・・・お酢、ミツヤサイダー、レモンの絞り汁
アルカリ性・・・重曹飽和溶液、石鹸水、石灰乾燥剤(袋から出して水溶液にしました)
これらを2人一組の班に配布しました。
A) まず、お酢とレモンの絞り汁をなめさせます。・・・「すっぱい!」と大騒ぎ。
B) ここで、とりあえず「このようなすっぱい性質を酸性といいます」と定義します。そして赤と青のリトマス試験紙を配布しました。短くちぎってピンセットであつかうことも教えます。そして、酸性のものは「青色リトマス試験紙は赤に、赤色リトマス試験紙は変化しない」ことを実験しました。このときにサイダーもはかりました。試験紙を使うのはみんなはじめてです。
C) ここで再度「酸性のものは青色リトマス紙を赤くかえる性質があります」と説明して、「酸性の反対の性質をアルカリ性といいます。実はアルカリ性の物質は赤色リトマス紙を青くかえます。」と説明し、三つのアルカリ性のものを配布して、赤色リトマス試験紙による確認をします。
・・・・・ここで、じゃあアルカリ性はどんな味なの?という声があり、「なめて調べることは危険なのでまずやってはいけない」ことを注意しました。乾燥剤に「口に入れてはいけない」と書いてあることにも触れます。
D) 黒板に「酸性→すっぱい、青色リトマス紙は赤になる」「アルカリ性→酸性の反対、赤色リトマス紙は青になる」とまとめてから、「実は酸性やアルカリ性という性質について、科学者はもっと詳しいものさしをつかっています。」とのべてpHの簡単な説明をしました。
E) ここで、万能pH試験紙を配布し、配布してあった六つの物質のpHをはかってもらいました。万能pH試験紙は最近大変使いやすく、安いものが出ています。
pH試験紙 pH1~14 980円(20枚つづり10冊入り 各ブックに変色表がついている)
F) その結果として、酸性やアルカリ性に強弱があること、石灰乾燥剤の水溶液がpH=12と強いアルカリ性であり、危険であることが実感できることなどが見えてきます。
G) 体の中のpHという資料を配布して、より精密なpH試験紙をつかって「唾液のpH」について何人かはかってみました。
H) いよいよムラサキキャベツによるpHを調べる実験です。前日に刻んで焼酎といっしょにビニール袋に入れておいたムラサキキャベツを6人に一袋ずつ配り、さらしで絞って液をとりました。
I) 一方、ウズラの卵ケースをつかって10段階のpH溶液を調整しました。原液としてお酢と、重曹の飽和溶液を配布して、決められた滴数ずつまぜていきます。そうするとpHが約2.3から8.4の10段階できます。
J) これにムラサキキャベツの液を少しずつ滴下していきます。そうすると下の写真のような色の変化が見られます。
すでに絶版ですが、子ども向けの絵本「自然のなかの酸とアルカリ」岩波書店(1983)によると、以下の表のようです。
ムラサキキャベツの液、スポイト1本、この色の変化を上の本からコピーしたものを全員に配布して、「家に帰ったら、いろんなものに入れて色の変化を見てごらん。このカラーコピーの色と比べたら、そのもののpHがわかるかもしれません。」とコメントしておしまいです。
意外だったのは、うまくスポイトが使えない子がいたことです。こどもの手先がどんどんおとろえているのを感じました。(きくがわ科学少年団 山内一徳)
【関連】「きくがわ科学少年団」