4年ぶりに科教協静岡の「研修交流会」が開催できました。5月21日(日)に、会場として「ふじのくに地球環境史ミュージアム」をお借りしました。清邦彦氏(NPO静岡県自然史博物館ネットワーク理事)の講演、丸山哲也さんと小幡勝さん(科教協全国委員)の小学校講座、髙橋政宏さんと杉本寛さんの中学校講座が行われ、どれも興味深く内容があるものでした。おみやげをいただけたものもあります。
午前の部 講演
「小さな大発見」~子どもたちを理科好き、自然好きに
講師:清 邦彦 氏 (NPO静岡県自然史博物館ネットワーク理事・元静岡雙葉中・高等学校教諭)
「主に中1を中心に授業を担当した。‥‥理科の授業が楽しくなるように工夫をした」と話されました。最初の授業で「理科は好きか?」と聞くと「理科は気持ち悪いから嫌い」という声が返ってきたことに対してです。
やらされる「自由研究」に対して、「理科新聞」で身近なところから見つけた研究を取り上げたり、自然離れの問題に「自然研究部」をつくるなどの工夫をしたとのことです。それらの実践と、そこから考えたことを話していただきました。
午後の部 小学校講座
小学校講座は、講師として科教協から丸山哲也さんと小幡勝さんに来ていただいて開きました。
(1)「1時間1実験の授業づくり『もののとけ方』の単元から」 丸山哲也さん
教科書通りに授業がうまくいかない問題点の話がありました。それに対して、「もののとけ方」について、教科書の進め方と丸山さんの進め方の話がありました。丸山プランの実験を参加者も体験し、質問や意見交換をしました。
「理科の実験は実験が要」、「1時間1実験(1課題)」「自分で試してたしかめて学ぶ」の実際が再現され、授業の進め方やイメージをつかむことができました。
(2)「”楽しく・よくわかる電気学習”をめざして」
小幡勝さん
小学校3、4、5、6年生の電気学習のポイントで実際の実験を行い、その都度質問にも答えながら進められました。実験道具の手づくりセットもいただきました。
小3 豆電球の明かりをつけよう(金属探し)
小4 豆電球をつかっての直列つなぎと並列つなぎ
小5 電流が流れると磁界ができる
小6 電流のはたらきを
小学校講座は、丸山さん、小幡さんとも、分かりやすく子どもたちでもできる実験が用意され、授業のどこでどのように使っていくかまで提案されていて役に立つ内容でした。
午後の部 中学校講座
中学校講座は、科教協静岡会員の杉本寛さんと髙橋政宏さんが講師をしました。少人数でしたが、教材をじっくりと観察したり、それぞれの経験をもとにしてよりよい授業のあり方について考えたりと、アットホームな雰囲気の中で、充実した講座となりました。
(1)「マーブルチョコが水に溶けるようす」 → 詳細は別の記事に
(2)「ベンケイソウとヒドラの無性生殖」 → 詳細は別の記事に
(3)「ゆらゆら人形を使った電流と磁界の学習」 → 詳細は別の記事に
(4)「ビーカーと線香の煙で前線をつくる」 → 詳細は別の記事に
【感想】
・(毎回参加する時に思うのですが)ふだん忙しさに追われて”自分自身が授業を楽しめていないな”と改めて思いました。来られるときには研修会に参加し、今日のように自分自身を見つめ直したいと思います。また、先生方のお話をうかがっていると、もっと勉強しなくてはとも思っています。
・清先生の「わからないから面白い、わからないから研究する」という言葉と「子供たちの研究結果に”失敗”ということはない。そこに必ず発見がある」という言葉が心に残りました。
・理科の授業は、実験が要であることを再認識しました。たくさん実験を見せていただきありがとうございます。学校でも紹介したいと思います。楽しく学ぶことができました。
・実際の授業の話を聞いていると、提示された課題をもとに、生徒間で深め合い、それに基づいての教師の新しい視点からの授業の展開など、聞いているだけでワクワクしてきます。授業の奥深さ、素晴らしさを感じます。こんな素晴らしい授業をやれる教師の仕事、多くの若者に知って欲しいです。
担当 科教協静岡 長谷川静夫 skrc@sf.tokai.or.jp