健康のために街や郊外を歩きながら、コンパクトカメラで写真を撮っています。数年前から青い色がある鳥を、静岡市葵区の市街地や公園で見かけるようになりました。
オスは、頭や首回りが鮮やかな青で腹は赤茶色(レンガ色)です。メスは、全体的に灰褐色でつばさ以外にまだら模様があります。大きさはほっそりした鳩ぐらい(約20cm)です。街中にいる鳥はカメラを向けると感づいて逃げる鳥が多い中で、この鳥はあまり動じた様子もなく逃げようとはしません。
調べてみると「イソヒヨドリ」でした。イソヒヨドリは、ユーラシア大陸の高地に広く分布していて、日本では岩礁の多い海岸や磯場に生息しています。イソヒヨドリの名前もそれに由来するのですが、ヒヨドリとは全く別の仲間(別の科)です。
1980年代から内陸の地方都市で繁殖が知られるようになり、2000年代にはその数が増えて、今では大都市でも見られるようになったようです。
高く急な崖地形と、緑のある草地などの開けた餌場がある環境に住んでいます。そのことが、崖に相当するビルもあり公園の緑地もある都市の環境が合っていたようです。地上で餌を探し、甲殻類や昆虫類、トカゲやネズミなどの小動物を捕食しています。
性質はたいへん気が強く好奇心もあり、人のすぐ近くにも平気で飛んできます。我が家の近くでは、最近ではあまり近づいてきませんが、現れ始めた頃は近くを飛び回りジジジジと警告音を出しました。あまり人間に警戒心を持たないのは、人が住むところに進出して間もないためではないかと言われています。
鳴き声はかなり美しく、澄んだ声でツーピーのようにさえずります。
巣は元の生息地では崖の岩の隙間ですが、都市部ではビルの屋上、屋根の隙間、通風口などに営巣し、5月初旬頃に産卵して2週間程度で巣立ちます。
我が家の近くでも、5月頃にどこかで営巣をしていたようで、近くの資材置き場の上に、親の鳴き声でひながひょこっと現れました。下の写真でくわえている餌はわかりませんが、蛾やパンくずのような物も見ました。巣立った後に、まだ親から餌をもらっていた時期のようです。
覗いていると、ひなを守るように親がこちらに猛然と近づいてきました。気が強いことがわかります。
【参考】
・日本気象協会tenki.jpサイエンス2019.11.27 「頻々と目撃される幸せの青い鳥。」
https://tenki.jp/suppl/kous4/2019/11/27/29567.html
・フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia) 「イソヒヨドリ」
・サントリーの愛鳥活動日本の鳥百科 「イソヒヨドリ」
https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/4524.html
文責:長谷川静夫(科教協静岡)skrc@sf.tokai.or.jp