今学期,主に意識して取り組んだことは3つあります。
1つ目は理科室や理科室前における掲示物を充実させたことです。本校では大きなスズメバチをよく見かけるため,それを捕まえて長い間理科室に置けるように,容器にスズメバチをエタノール漬けして,置いておきました(図1)。多くの生徒がその容器を手に取り興味をもってくれました。授業での取り組みを掲示物として取り上げました(図2)。そうすることで,生徒たちは授業に興味関心をもってくれたり,ワークシートを工夫して描いたりと少し変化が見られると感じました。
2つ目は板書計画(図3)です。学期当初は,生徒に毎回ワークシートを配り,それに沿う形で授業を進めてきました。また,電子黒板にスライド資料を投影して授業を終えていました。しかし,次第に生徒の中から,ワークシートの空欄を埋めることが目的化している様子が見られることが増えてきました。それではまずいと考え,1学期末から板書計画を立てたり,大まかな授業の流れをつくったり,生徒にも板書をノートに取らせる方針に変更しました。そこで気づいたことは,例えば葉のつくりについて電子黒板で綺麗なイラストや実物写真を見せるよりも,少し抽象化したような教師の描く絵や図式の方が生徒にとっては模写しやすく,より内容が伝わっているのではないかということです。また,スライドではその日の授業の流れが完全に決まったものになってしまうが,板書では,生徒の反応を見ながら少し計画とは違うものにしたり,授業を運営していく中でこうした方がよいのではと思うことをその場で変更したりできることにも気が付きました。
3つ目は単元計画です(図4)。今学期は授業を作ることで精一杯になり,目の前のことだけを集中してやってきました。そこで困ったことが成績です。成績をいざ付けるときに「この資料は本当に思考の材料にしていいのか?」「主体的に学習に取り組む態度の資料は?」など困ってしまいました。また,このような状況では,指導と評価が一体となっているとは言えません。先輩教員からは「本来は指導の単元計画をたてて,その授業では何を評価するのか観点をもっていないと,指導と評価の一体化にならないよ」と助言をうけました。そこから,参考書を見ながら,形だけでもと思い,各授業でどんなことを評価するのか単元計画を立てました。評価を含めた単元計画を立てると,観点をもとに授業や板書計画などを立てる際,授業全体の見通しももつことができました。これに関してはまだ始めたばかりであるため,今後さらに改善等を図りながら取り組みたいと思います。今後は,生徒に見通しをもって学習に取り組ませるために,この単元計画表を生徒にも配布しようとも考えてます。
今学期を通しての自分の課題は,話し合い活動の充実をはかることです。話し合いの場を設定しても,全く話し合わない班があったり,自分の計画とは違う方向へ話し合いが逸れてしまったりするなど課題が挙げられました。学習問題は適切か,話し合えるだけの知識等をしっかりと抑えられているのかなどを再確認して,授業を計画して2学期に臨みたいと思います。 (執筆:青嶋)
この記事は、理科サークル「SCIENTIA」のニュース「Serendipity」№73から引用し編集したものです。
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