理科サークル「SCIENTIA」の例会で話し合われた内容を、サークルニュース「Serendipity」№37から引用編集しました。
「教師だったら本の重さで床が抜けるくらいではないと」という禰津先生の発言に一同が仰天しましたが、確かに本は読むべきでしょう。 読書は良い勉強法の1つです。しかし私たちはどんな本を読んだらいいのでしょうか。どうやって読めばいいのでしょうか。 皆さんの読書術を出し合ってみました。
① どうやって読むか
・「もくじ」に目を通し、知りたいところから読む
もくじを読むとその本の大きな流れがわかります。 読者である私たちは、このもくじを見ることで本の大筋を把握し、どこに何が書いてるのかを確認することができます。 私たちはその本の内容を100%知りたいということは少なく、たいていの場合一部を知りたいのです。 その時もくじに目を通しておけば、知りたいところから読めます。本は初めから順を追って読む必要はないのです。
・教育書は買って、積読(つんどく)
積読(つんどく)とは文字通り買うだけ買って読まずに積んでおくという意味です。 教育関係の本は発行部数が少なく、すぐに絶版になってしまいます。 最近ではインターネットでの購入もできますが、絶版の教育書の良本は大変高額になっています。 気になったときには買って、目の付くところに積読(つんどく)のです。積読(つんどく)前にもくじに目を通すことはしておくといいです。
・斜め読みして、付箋を貼っておく
本を隅々まで読むのはとても楽しいですが、日々の仕事をこなしながらではとても余裕はありません。 そこで、内容が入るか入らないかの要領で斜め読みをします。すると知りたいキーワードなどが目に飛び込んできます。 気になったところには付箋を貼っておき、時間のある時にその周辺をじっくり読めばいいのです。
・読書計画を立てる
計画を立てると本は意外と読めます。「1か月以内にこれを読む」と決めて、「今週はここまで読む」とか 「1日のうちこの時間は本を読む」とか計画的に読書をすると、とても効果的です。
② 何を読むか
・書評を読んで本を選ぶ
新聞や雑誌には書評欄があります。書評に少し目を通すと「面白そうだ」とおもう本が出ていることがあります。 これが本と出合うきっかけになります。 最近ではインターネットの書評サイトなどもたくさんありますし、検索用語に「(知りたいキーワード)?本」などと入力すれば本がヒットします。 気になる本を読むのが一番楽しいです。
・子供向けの科学の本は役に立つ
子ども向けの科学の絵本などはバカにできません。短い文章に要点を抑えたわかりやすい言葉で科学が表現されています。 また、子どもの視点に立った表現が多いため、すぐに授業に使えるものも多いです。
・理科の教師として読んでおきたいジャンル
理科の授業にそのまま使える本の他に、理科教師の教養として読んでおきたい本のジャンルがあります。 主なものに「教育論の本」「教材の本」「科学の本」「科学史の本」があります。 特に科学史はあまり授業の第一線では活躍しない情報が多いのですが、知っておくと授業づくりに大変役に立ちます。 理科の授業観を大幅に広げますので、時間がある時に科学史を学ぶのはとてもいいことでしょう。
③ 読んだらどうするか
・本のデータベース化
せっかく読んだ本なので、データベース化をしておくといいです。 ノートに「書籍名・作者・出版社・発行年・ジャンル」などに項目分けしてデータに残しておけば、 「あの本って何だっけ?」「あれってどこの本に書いてあったっけ?」というときに検索できます。 (エクセルが得意な人はエクセルでデータベース化し、オートフィルタをかけておくと便利です。)
・理科室の前に並べる
理科室の前に本を並べておくと、生徒が手に取るかもしれません。その時は貸してあげましょう。 子どもと本を通して同じ立場で話ができるかもしれません。また、授業に関係する本は並べておくと子どもの興味をさらに書き立てるかもしれません。
問い合わせ先:高橋政宏(理科サークル「SCIENTIA」)
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