理科サークル「SCIENTIA」の例会で話し合われた内容を、サークルニュース「Serendipity」№54から引用編集しました。
顕微鏡観察について意見を交わしました。これまで観察した中で、観察する価値のあるものを出し合ったり、観察やスケッチのための工夫を伝えあったりしました。
① トキワツユクサのおしべ周辺の毛
トキワツユクサのおしべ周辺の毛は、細胞が数珠状に並んだ珍しい構造をしています。植物の細胞には細胞壁があり、1つ1つがしっかりと形作られているからこその構造でしょう。
② マグロの筋肉の細胞
動物細胞は、一般的にはヒトのほおの内側の細胞を観察しますが、できれば2種類くらいの動物細胞を見せたいものです。マグロの筋肉細胞は観察しやすいものの1つです。刺身を少量スライドガラスに取り、カバーガラスの上から、マッチ棒の芯などで薄くたたきのばします。ツナ缶(原材料はカツオなどマグロでないものもある)を利用することもできます。その際も下図のような繊維状の細胞が観察できます。
③ 濃い(2%)の酢酸オルセインで細胞の核を観察する
オルセインは粉末状で購入することができます。このオルセインを酢酸に溶かすことで、任意の濃さの酢酸オルセインをつくることができます。濃い酢酸オルセインは染色がはっきりとするため、観察に向いていますが、手につくとかなり赤く染まるため、注意が必要です。(市販の酢酸オルセインは1%)
参考:オルセイン粉末の購入先(富士フイルム和光純薬(株))
2%の酢酸オルセインを用いた細胞の観察について(静岡県総合教育センター)
④ スケッチはICTも活用して
デジタルカメラを、顕微鏡の接眼レンズに押し当てて撮影すれば、顕微鏡画像が取れます。これをTVやプロジェクターで拡大投影すれば、観察物を皆で共有できます。「これが見えればいいんだ」というきっかけがあれば、生徒の観察技術はグンと上昇します。また、投影した画像をもとにさせると、上手に観察できなかった生徒もスケッチができます。
問い合わせ先:「SIENTIA」高橋政宏 m-takahashi★ra3.so-net.ne.jp(★を@に変えてください)