2019年10月20日(日)の午後に、科教協静岡主催の「静岡理科の会」を静岡市南部生涯学習センターで開きました。 参加者は10数名でした。いつものことで内容が盛りだくさんになって、十分な意見交換・交流ができなかった面もありましたが、 いろいろ興味深い内容が紹介されました。(報告のまとめ:科教協静岡長谷川)
1.講演 「環境教育と学習環境のエネルギー消費を考える」
講師:石川春乃氏(静岡理工科大学理工学部准教授)
1995年頃以降に文部科学省で地球温暖化等環境問題への取り組み、「エコスクール」という事業も始まったようです。 そうした政策の流れや現状、問題点の紹介と、教室にエアコンを設置する最近の動きと環境対策についても話をうかがいました。 石川氏は、そうした行政の施策の研究や助言をされています。
後段の件では、猛暑が普通のこととなる近年でエアコンの設置は当然としても、 設置後の対応に現場の教員の負担が増えかねない様子には確かに疑問も感じました。
2.教材・実験紹介と理科・自然科学の交流
(1) 小学校5年 流れる水のはたらき 塩澤康人さん(静岡市立小学校)
静岡市を流れる安倍川も教材として、いくつかの工夫をされた実験を通して理解を深める内容に感心をしました。 資料は、A4で6ページです。
※ 昨年の報告に加えてまとめた記事「小学校での実験観察の工夫」(2018.11)があります。 →
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(2) 自由落下運動から考える運動の規則性(中学校) 高橋政宏さん(静岡大学附属中学校)
高橋さんの報告は附属中学校の研究発表会で行ったもので、資料はA4で15ページです。
高橋さんは、物体の運動の単元はいきなり斜面での運動が出てきて、導入が教える側の都合でできている典型的な教材だと言います。 それは、自由落下運動が非常に速い運動であり、中学生がその分析を精密に行うことは非常に難しいためです。 斜面を用いることで速すぎる運動をスローモーション化して、自由落下運動の規則性を求めようとしているのです。
そこで、斜面運動の必要感が生まれる授業展開を考えたとのことです。
※ 詳しい内容が別の記事にあります。 →
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(3) エッグドロップコンテスト 山内一徳さん(きくがわ科学少年団)
山内さんは、高校を退職後に菊川市の六郷地区を中心として、市からの補助も得て科学少年団を運営して約10年になります。 小学3~6年生の約30名の団員で、年間10回の科学実験教室を行っています。この企画は、その一つです。 山内さんの資料は、A4で7ページです。
この実験は最初、アメリカの大学で学生実験として行われていたものが、日本にも伝わり大学の学生実験として始まり、現在は高校、中学などにも広がっているそうです。 内容としては、限られた資材を使い限られた時間内に、生卵を格納する装置を作成して、高所から投下して生卵が割れないで地上に着地するという事を競うものです。
※ 詳しい内容が別の記事にあります。 →
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(4) 静電気の簡単な手づくり実験 長谷川静夫(科教協静岡)
科教協の全国大会や会員の書籍、仮説実験授業研究会の高村紀久男さん(掛川市)から学び、実践をしてきました。資料等はA4で6ページです。
(5) 実験グッズ・鉱石標本の紹介・頒布 長谷川静夫(科教協静岡)
・静電気実験装置・グッズ
・黄鉄鉱(伊豆黄金崎、天竜峰ノ沢鉱山)/珪岩(西伊豆宇久須鉱山)/磁鉄鉱/褐鉄鉱/閃亜鉛鉱/黒鉱
文責:長谷川静夫(科教協静岡)