藤枝の理科サークル「SCIENTIA」が活発に研究会を開いています
2年前に始まった理科サークルが「SCIENTIA(スキエンティア)」です。 初めは4名でのスタートでしたが、今は会員が20名を超えるようになりました。 会員には大学生から退職校長まで幅広い年齢の方がいます。藤枝を中心として磐田や掛川からも参加者があります。
毎月第一水曜日の19:30から研究会が開かれます。ただ、研究会への参加者は7~8名です。 「人が集まることで議論が活発になり、また、授業・教材の内容も精選されていくような気がします。 これからも来たい方が気軽に来られるサークル、来た人が得をして帰れるサークル、力の付くサークルを目指していきたいですね。」とのことです。 ぜひ応援をお願いします。
活動の様子は、毎月例会報告「Serendipty」として、会員向けにEメール添付で報告があります。
興味のある方は、高橋政宏さんまで連絡をしてください。
m-takahashi★ra3.so-net.ne.jp(★を@に変えてください)
例会報告「Serendipty№23(2016.11.11)」より抜粋
① 気体の授業実践~ラムネから発生する気体は何か~
「ラムネ菓子から出る気体は何でしょうか?」。 中学1年生の気体の単元の終盤でこのように生徒に投げかけ、これまでの気体に関する知識と技能を用いて気体を特定する授業を行いました。
しかしラムネ菓子は気体の発生が活発ではありません。 そこで授業ではラムネ菓子の主成分である「炭酸水素ナトリウム」と「クエン酸」の混合物を紹介し、それに「水」を加えることで気体を発生させたそうです。
穏やかに、継続的に気体が発生するため生徒が実験しやすいのがこの教材のよい所です。 また、気体の発生が止まっても「水」を入れれば気体が再び発生するのも魅力です。さらに、反応が吸熱反応なので試験管が冷たくなります。 中学2年生の化学変化の前に体験させておきたい実験の1つですね。ちなみに発生する気体は「二酸化炭素」です。
② ペットボトルでプラスチックを教える
ペットボトルは本体がPET製、キャップがPP製(PE製のものもある)、ラベルがPS製(PP製のものもある)であり、部分によってプラスチックの素材が異なります。 したがってペットボトル1本分でプラスチックの授業が可能です。それぞれの部分で水への浮き沈みや、燃え方を調べさせることができます。
参考文献:田代直幸・山口晃弘(2010)『中学校〈1分野〉発想が広がり 思考が深まる これからの理科授業-言語活動を重視した授業づくり-』東洋館出版社
③ 簡単にできる!アンモニアの噴水 ( 別ページに掲載)
④ 簡単にできるマッサージ器の自作 ( 別ページの「水分子の運動と拡散」の中に掲載)
⑤ 提案 光の授業について
光の単元において、「“見える”ということを正しくつかむ」ことが大切だと考え、導入を大切にしています。 今回、『単元の初めに3色LEDを用いた影のでき方を考える授業を行うのはどうか』と提案されました。 意見として、「黒ではない影ができるのは導入として面白い。」「3つの影を考えるのは中1には難しい」 「2色光の影を考えることに絞ったらどうか」などが出されました。
生徒に難しさを与えず、「光って科学的に考える価値がありそうだ」と思わせる導入を工夫したいですね。
(この実験の詳細は、
別ページに掲載)
その他の記事
⑥ 気体のコラム
⑦ 報告 初任者研修授業~水溶液~
⑧ カバーグラスを1枚ずつ確実に取り出す器具の作り方
⑨ 『重さに目をつけよう』~子ども向けの本の活用を~
⑩ ミョウバンのきれいな結晶を作る工夫
⑪ 液体の食塩に電流は流れるか~イオン性物質を理解する~