大会の内容は、ここが良かった!
(以下の文で、○は参加者アンケートでの感想から)
① はじめの全体会
【特別報告】「静岡県の自然」ふじのくに地球環境史ミュージアム 山田和芳さん
○ 静岡県の自然について 短い時間でしたが、静岡の全体的な様子がわかってよかったです。写真もよかったし、わかりやすかったです。
【基調提案】「職場の仲間とともに研究をすすめよう」科教協委員長 丸山哲也さん
○ 理科教育の問題(悩み)がわかりました。理科実験の大切さを改めて確認できました。 アクティブラーニングとは、失敗をくり返しながら経験をつむことかと思います。
【記念講演】「50羽から5000羽へ、アホウドリの再生を目指して」東邦大学名誉教授 長谷川博さん
○ アホウドリ(オキノタユウ)のお話よかったです。 科学的な分析と、それをもとにした着実な取り組みを具体的に聞くことができ、とても楽しくお話に聞き入ってしまいました。 オキノタユウという言葉には、遠いところからまっ白な翼を広げてとんでくる巨大な鳥への畏敬の思いがこめられているように思います。 どのような生物へも、そのような思いをもつことが大切だと思いました。
「この鳥を和名では『オキノタユウ』と呼ぼう」と、長谷川博さん
② 科学お楽しみ広場
○ 物化生地様々な発表があり、とても勉強になりました。手づくりの教材ばかりでみなさんのアイデアには驚きました。 初めて科教協のことを知りました。実際の授業で使えるような実験が沢山紹介されていて、とても勉強になりました。(学生)
○ さすがに科教協の大会だと強く感じました。久しぶりに「お楽しみ広場」をじっくり見ることができ、「本当に役立つ!」と意識できました。
○ 今年は初めて販売に参加しました。自分で物品を用意したり、科学コミュニケーションをしながら販売できたのは楽しかったです。
いろいろ見て、聞いて、確かめて、楽しい会に
いろいろな教材、資料、おもちゃ、材料を見て、購入も
「ガリレオ工房」滝川洋二さんの出展
③ 分科会
【幼児・小学校低学年(生活科)分科会】
○ 生活科の大切さを今回改めて学ぶことができた。ものにはたらきかける、自然の中で遊ぶと言うこと、もう一度自分なりに考え、2学期の実践につなげてみたいです。 参加できてとても幸せでした。
【小学校中学年分科会】
○ 重心について、あまり検討されず、コマ、起き上がりこぼし、天秤等についての実践が行われてきた。 今回の報告で、さまざまな教材、多くの学年で授業が取り組めそうだという話で発展していった。参加者がしゃべりたくてたまらなくなる報告であった。 司会者の果たした役割も大である。
【小学校高学年分科会】
○ 教科書の内容だけをやると、どんなところで子ども達がつまづくのか、よくわかるレポートが多くあってよかったです。 日頃の疑問も出され交流もあり、よかったと思います。実験器具を持ちこんでの説明はわかりやすかったです。
○ レベルが高いなというのがまず第一。教科書にとらわれすぎて、電磁石を強くするには、そしてどうすれば、それを確かめるかと言うことを考えていたけど、 導線一本でも磁力ができるというのが目からウロコだった。天気の方は、いろいろな実験を目の前で演示してくださって大変わかりやすかった。
ペットボトルが熱くなるのも実際に触らせてもらえたのでよく実感できた。水蒸気の話も大変興味深く聞かせてもらいました。 英語では二つにわかれているのがなるほどでした。いろいろ勉強して、理科好きになる子どもを増やしたいと強く思いました。(初参加)
【物理分科会】
○ 電磁気について、全く、何も知らないことをあらためて感じ、学ぶ気になりました。 数学との関連・用語の問題は、うっかり見逃していたことを気づかせてもらいました。 生徒たちがわからなくなる原因がいろいろ足下にあることを、あらためて学べました。
○ 放射線(人体への影響)の授業(千葉佐藤)の発表はとてもよかった。 思いが、つたわった。この思いがあれば、来年はもっと改善されて、限られた時間にどれを伝えるかがもっと精査されるだろう。 授業はいろいろな切り口がある。どれがよいか悪いかではなくて、こうするにはどういう方法があるか、みんなで力を合わせ、知恵を出し合えることが大切だと思います。
【化学分科会】
○ 分科会は実物が豊富に出ていたし、演示実験もされ、有効でした。この大会の良さがそこかしこに出ていました。 このような大会が全国的に広がれば、理科教育はより発展するでしょう。
○ 分散会で、長年疑問に思ったことが解かれて良かったです。 マグネシウムリボンが放っておくとなぜ黒くなるのかが、空気中の二酸化炭素との反応によるものとは思いませんでした。 四ヶ浦さんの実践報告は「四ヶ浦ショー」そのものでした。時間がいくらあっても足りないくらいの『お楽しみ劇場』でした。
【生物分科会】
○ 午前中は、蜜蜂を飼い始めた先生からの報告。蜂が農薬を田、果樹(リンゴ)に散布する時期より元気がなくなるとの話。 ハチの大量死から薬剤による汚染に気づかされる、すごい視点だと思いました。 明星学園の先生から小学校での動物学習の中で、呼吸をどう教えるか、いろいろ苦労されていて、 ネズミを走らせ運動からエネルギーの消費を実感させるなどがんばっておられるなーと思いました。
小6のヒトの体とくらしについて、実物の頭骨、背骨の比較など、実物の力、すごい上手に実物を利用されて、良かったです。 外来哺乳類について、高校生の生物の授業の中でも、生徒達に、外来のものがヒトの行為の中で、 どんどん減っていってしまう意味を良く理解できたのではないかと思いました。
動物園からのフクロウのペリットを分解して、ネズミの骨格を取り出す実習、先生方においても、とても楽しんでいました。 この会で、とても学ぶことの多い内容でした。職場に伝えたいです。
【地学分科会】
○ 「瀬戸内海の地震はくり返されるの?(広島 田中T)」:問いかけが上手だと思いました。 全体的に、自分のこととして考えられるように身近な問題(ex:電車)を取り入れつつ、きちんと地震について学べるのが良いと思いました。 防災ではなく、減災につながる教育に期待します。私も頑張ります。 地理で地形を学び、地学でメカニズムを学び、家庭科で非常食について学び、英語科で避難所で使える英語を学ぶ…
教科を越えた防災教育もオススメです。 都内の中高で行っている所もあります。
【障害児者と自然科学教育分科会】
○ みなさんのそれぞれの実践を知ることができました。地域では、「理科」で特別支援学級(学校)での取りくみなど少ないが、 科教協ではたくさんの実践がきけるのでとてもありがたいです。「理科教室」にも特支の理科が載っていることが、ありがたいです。
(付)「理科教室」は、科教協編集の月刊誌(本の泉社発行)
○ 各レポートとそれに関わる感想や意見がとても参考になった。「特に自然に働きかける」「ものに働きかける」ことへの意味は、いろいろ考えさせられます。 大切なものを教えてもらった気がしました。
【自然と社会分科会】
○ 「生活と石油」大人も学習する機会があるといいなと思いました。 「エネルギーを考えると…」で大切にしたい言葉「子供たち(18歳未満)は選挙権はないけど主権者である」こと。忘れないで。
【教員養成分科会】
○ 私は、学生という立場から参加させて頂きました。自分の過去の経験から、小中の理科教員に疑問をもつところがあり、 どのような教育、教員の指導を行うべきなのかと思いお話をきかせてもらいました。 先生方の発表を聞いて、教員としての立場や教採についてどう指導するか、分かるとは授業とは何かということまで考えて教員養成用の授業を作っていて本当にすばらしいと思いました。
科教協の分科会という立場で、自然科学を学ぶ目的論について、議論されているのはとても価値があることだと思いました。(初参加、学生)
④ ナイター(講座)の一部
【ビデオを観て「1時間の授業」のイメージを】
○ 授業ビデオを参加者みんなで分析することにより,より深く考えることができました。 特に討論における教師の役割として,どう意見を整理し,発言を促すのか,具体的に考えることができました。 子供のノート分析も何が書けていればよいのかから,どう書けるように言葉がけをするのか考えることができ,よかったです。 1時間の授業の流れもどう運営すればよいかも確かめられました。
【自然科学の授業を創ろう-科教協はアクティブラーニングの家元-】
○ 「アクティブラーニング」課題作りが大切:よく理解できました。教師自身が「なぜ?」を発見するアンテナを張っていること。 授業:クラスのみんなが「こんなことを言ったら恥ずかしい」「あほなことを言うと思われるのではないか心配」これでは授業は成り立たない。 まったく同感です。私も授業開きではいつもこのことにふれていました。うまくいった年もあるしそうでない年も。
【障害児学校・学級の教材づくり】
○ 障害を持つ人への楽しい教材がてんこ盛りでした。みんな我を忘れて,教材作りをし,作った教材で遊びまくりました。 新型空気砲,弓矢での的当て,ガリガリトンボの改良版で,浅田真央,羽生弓弦くんがくるくる回転するものは秀逸でした!!
○ 創意工夫された教材の数々には毎回驚かされます。教師が楽しむその背景には子どもたちの顔が見えます。 まずはもの関わって,それから目が開きます。本当に楽しく勉強になりました。
【街なか・校庭 自然観察のヒント】
○ 東京の学校なのでなかなか蝉の抜け殻に出会えませんが,ダンゴムシは児童も大好きで,各クラス虫かごに飼っているようです。 そのダンゴムシも仲間がいること,見分け方を教えていただきうれしかったです。 また「歩いて見つけた街のいきもの」の冊子は今まで校庭を歩いて調べた草木,昆虫がすべて載っていて驚きました。 まさにこのような図鑑を探していました。同僚の分も頂戴しました。
【タネ(種子散布)と楽しい時間を過ごしましょう!】
○ 自分で図鑑を作ってみることで,ほかの種と何が違うのかを比較したり,じっくり観察したりすることができました。楽しかったです。 小学校でも,種をじっくり楽しみながら観察する学習を実践したいです。
☆ 以上の詳しい内容や写真、分科会等での発表レポート、まとめを収録した「大会報告集」(DVD版、1,000円)が作られました。
担当 科教協静岡事務局 長谷川静夫