入浴剤を使ったペットボトルロケットをつくる (「静岡理科の会」6月例会から)
高校の授業「科学と人間生活」で、入浴剤(バブ)から発生する二酸化炭素を使って、ペットボトルを飛ばす実験をしました。
その結果を生徒がまとめたレポートから紹介をします。実験内容の説明を良く聞き、理解して取り組んでいる生徒がいることがわかります。
1.ロケットが飛ぶわけ? (下記の①~⑥は、レポートでの生徒の説明例)
【注】炭酸水用ペットボトル(500mL用)、中の水はボトルの1/3程度、バブは1/4個、ゴム栓をきつくはめる。全体を空き缶の中に立てると良い。
① バブには、二酸化炭素(炭酸ガス)が含まれている。バブが水に溶け二酸化炭素が発生し、圧縮された二酸化炭素が膨張し、ペットボトルを吹き飛ばす。
② 入浴剤(バブ)には炭酸水素ナトリウムとクエン酸が入っている。この2つは固体では反応しないが、水につかることで炭酸水素ナトリウムの分解反応が起こる。
③ 化学反応式は、2NaHCO3 → Na2CO3 + H2O +
CO2
クエン酸はこの式の反応を促進する効果を持っている。
互いに力を押し合うことで反作用で逆の方に力が加わることによって水が発射され、その(発射された水の)反作用でペットボトルが飛んでいく。
2.なぜ炭酸の入っていたペットボトルなのか?
④ お茶やジュースのペットボトルは、強度がたりないため、はれつしてしまう。 炭酸飲料のペットボトルは、耐圧性があり、膨らみにくい!また、内側からの圧力に強い形になっている。
3.ゴム栓を使うのはなぜか?ゴム栓は強く締めるか弱く締めるか?
⑤ ペットボトルの中の圧力が高まって、ゴム栓が飛んで、中の入浴剤水が飛び散るというしくみだから。 ゴム栓は一定の圧力で抜けるから、強く締めた方が、威力がある。
4.疑問
⑥ 水ではなく、お湯にしたらどうなるのか?
【注】別のクラスでやったら、反応が早すぎて、ゴム栓をする前にCO2が抜けてしまった。
紹介:篠崎 勇(静岡商業高校)