静岡県菊川市の六郷地区を中心とした「きくがわ科学少年団」が昨年(2009年)に誕生しました。 科教協静岡にも熱心に参加されている、地元の元高校教員の山内一徳さんが中心になって運営しています。
第13回(発足以来の回数)科学実験教室「磁石の勉強…世界最小のモーターをつろう」が、2010年8月1日午後に、地元のコミュニティーセンターにて行われていました。 今回は、小学生対象の別の行事と重なったため、参加者が少なくなったようです。(文責:科教協静岡 長谷川静夫)
まずは、内容に関わる原理の勉強。
磁石の性質、地球磁場と磁針、磁力線の特徴、電流が磁場から受ける力について、1時間ぐらいの勉強。 絵入りのプリントや、磁石・磁針、手作りの模型を使っての説明、演示実験です。
ちょっと小学生には難しいと思いましたが、山内さんは、いろいろな科学技術がブラックボックスであってはいけない、科学的裏付けがあるということを示したいとのことです。 私も、すぐに全てが分からなくても、その現象が説明できることだという、科学に対する信頼感をもてることが大切と思いました。
その後は、それぞれで実際に簡易モーターを作りました。 エナメル線を巻く、クリップを加工してモーターの軸受けを作る、ブラッシ部となるエナメル線の先端をカッターナイフでけずる、板に小型フェライト磁石も含め固定し、電池をつなぐ。 今回は、なかなか苦労していましたが、そこここでモーターが回り始めました。 回るようにする「競争」もありましたが、協力し合う姿もありました。
教室が始まる前には、その日の当番の子どもが、一生懸命準備作業をしていました。 また、会場の机やいすの準備、片付けもみんなでやっていました。
科学少年団の目的
① 子どもたちに、科学の世界の不思議と面白さの感動を、豊かな直接体験で与えたい。
② さまざまなものづくり体験を(ものづくりから科学の歴史は始まっている)。
③ 実験やものづくりなどを、グループでおこなうことで、子どもたちの世界に異年齢集団を復活させたい。
活動内容
① 定例科学実験、ものづくり教室を、1~2か月に1回程度
② 見学会や、フィールドワーク、野外観察
など。
対象
正会員:小学校4年生から中学3年生まで(実質は中学生の参加はない)、3000円/年
成人会員:高校生から大人まで、3000円/年
家族会員:小学校3年生以下と親(親子同伴)、5000円/年
ボランティア講師団(科学教育の専門家、科学技術者等シルバーボランティアなど)の協力を得る。
サポーター(会員の保護者、地域の皆さん)の協力を得る。
具体的な活動内容
2009年度
5月 (説明会)太陽系の話、天体観測会
6月 ミクロの世界をさぐろう、顕微鏡で見える不思議な世界の探検
7月 イオンの勉強、電気でパンを焼いてみよう
8月 ペットボトルロケットを作ってみよう、発射コンテスト
9月 二酸化炭素の科学、カルメ焼きを作る
10月 浜松科学館プラネタリウム見学会(インフルエンザ流行で中止)
11月 地区センター祭に参加、活動紹介、実演
12月 ロウソクの科学、キャンドル作り
1月 たこの科学、飛行機はなぜ飛ぶか、たこ作りとたこあげ大会
2月 静電気で遊ぶ、ライデンビンを作り
3月 酸とアルカリの科学、ムラサキキャベツの色素抽出液で色水遊び
2010年度
5月 (発会式)お面の不思議、物を見る脳の不思議
6月 電磁石を作ってモールス電信機を組み立てよう
7月 磁石の勉強、世界最小のモーターを作ろう
8月 工場見学と焼津ディスカバリーパークのプラネタリウム見学会
問い合わせ先:山内一徳(ymchkznr@sea.plala.or.jp)
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