(1) 瀬田裕司さん(科教協事務局長 さいたま市立中学校)の講演(報告)
内容:中学校理科の「学習課題方式」の授業 単元「化学変化」の授業を例に
B5版で35ページにもなる「授業ノート」をもとに、学習課題方式の授業の進め方や、各小単元のねらい、課題、用意するもの、 予想される生徒の考え、実験法と注意事項、板書の内容等の、具体的な報告がありました。 中学校での授業の具体的な進め方や、生徒の考え方の特徴、授業を進める上での具体的な注意点等が、良く分かりました。
具体的には、化学変化の最初では、「酸化水銀」の分解が取り上げられています。 多くの教科書では「酸化銀」の分解ですが、「酸化水銀」の方が、還元された結果で液体の水銀が生じるので、 生徒は状態変化とは違うこの化学変化が理解しやすくなるとのことです。
また、生徒は、「分解で熱を加えるので、化合では冷やすのではないか」と予想するそうです。 そのため、最初から加熱しての化合反応では混乱するので、化合の最初は、良くみがいた銅板に硫黄をこすりつけることで物質・性質の変化が起こる、 つまり、2つの物質が接触すれば化合が進むことを示す実験が取り上げられています。
再び、学習指導要領に加わり、中学校でも教えることになった「イオン」についても、議論をしました。 中学校では電気を持った粒があることが定着すれば良い。物質学習にとどめる。物質が電気を通すかどうかを確認する実験をする。 そのための、LED(発光ダイオード)と3Vの電池で通電を確認する装置が紹介されました。
(2) 実験・器具の紹介
① イオンを確認する実験装置 山内一徳さん(菊川市)
交流100Vを使った装置(下の写真は、片側から硫酸銅の結晶が溶けていくと電球が点灯する)
「手乗りピカチュー」を使った装置
手に乗せると電流が流れ、「ピカチュー」と音を出すおもちゃ(現在は発売中止)の電極に、コードをつなげた。 中に増幅器が入っているらしい。コードに接続した電極(電線ケーブルの被服をはがしたもの)間に、電気が流れるか確認できる。
下の写真は、バーナーの炎の中でも導通が確認できた(音が鳴った)。
② 実習「ぼんてん(手芸用品)を使った分子模型」づくり 戸塚享さん(静岡仮説サークル)
参加者でやってみました。とても、手軽で簡単にできました。簡単な作業でも、分子のイメージが持ちやすくなると思いました。
完成品
戸塚さんは、今年の静岡のサイエンスフェスティバルで、この模型作りのコーナーを出展する。
担当 長谷川静夫(科教協静岡)